駆け抜けたい伝説の途中

毎週水曜18時より放送中

【レビュー】コロッケ!2 闇のバンクとバン女王

コロッケ!2 闇のバンクとバン女王 パッケ

 

シナリオ・・・★★★★★

オリキャラ魅力・・・★★★★☆

キャラ総数・・・★★☆☆☆

快適性・・・☆☆☆☆☆

戦闘・・・★★★☆☆

BGM・・・★★★★☆

 

自分がシリーズで一番やり込んだゲームがコロッケ!2でした。

 

 

シナリオに関しては思い出補正もあるのかもしれませんが、シリーズで一番好きです。

洗脳された仲間を正気に戻しながら、あちこちを冒険していく。割とコロッケ!のゲームって狭い世界での話でしかないことも多いのですが、本作は旅をしまくっていました。

 

個人的な最大の評価点は、アンチョビやアブラミーと一緒に冒険するそのシナリオです。

アンチョビとは以降のシリーズでも一時的な共闘こそできるものの、正式なパーティメンバーの一員として操作することになるのは本作のみです。原作でも実現しなかった夢のコラボレーションがここにありました。

アンチョビの一部の言動は正直ちょっとだけ原作と矛盾してたりするのですが、仲間になった経緯や行きつく先に関してはアンチョビらしさを損なっておらず、個人的には文句の付け所がなかったです。

 

アブラミーと手を組むのも本作ならではでしょう。

それもまさかの最初の仲間という扱いであり、コロッケとアブラミーの二人旅から物語が始まるので、占めるウエイトは非常に大きなものとなっています。

その後も常に行動を供にしていくものの、スージーニックと共に小物臭い言動を繰り返していくのが、彼らしくて良かったです。

 

 

オリジナルキャラクターはラスボス+敵幹部三人衆の計四人です。クシカツの妹弟子のツクネや雑魚敵のシシカバ兵などを含めればもっと多いですが、大きく目立っていたのは四人だったと思います。

バジルは個人的にはシリーズ最高のオリキャラです。一週目と二週目で印象がガラリと変わると思います。

 

ラスボスのシシカバブーは設定史上最強のバンカーということで、地味に大物だったりします。

詳しくは本編で語られますが、設定で言えばカラスミやビシソワーズ兄弟よりも強いということになってしまうので、かなりのバランスブレイカーです。その分存在感のある巨悪かと言われると正直全然そんなことはないので、なんというか憎めない存在でした。

 

 

キャラ総数としては古いゲームということもあって、残念ながらGreatやDSとは比べ物にならないぐらい少ないです。

 

前作にいなかった原作キャラとしては、タロとキャベツが新たに参戦しております。

タロは本作ではバンカーランクが初期状態でAランクに設定されているなど、伝説という肩書きに恥じない心強い味方となってくれます。

キャベツは原作でもほとんど絡んでいない状態から先んじて参戦した形なので、性格も使う技も原作とは大きく異なっていますが、CPU相手なら完封できるぶっ壊れ性能をしているので、存在感は大きかったです。

この二人はまだ原作でもろくに戦闘シーンが描かれてなかったキャラなのにも関わらず、よくぞ参戦してくれたと思いました。

 

また、GreatやDSはパーティメンバーが増えすぎて空気になってしまうキャラも多かったですが、本作はそうでもなかったです。

仲間と手分けして攻略していくダンジョンが何個もある(というかそればっかり)ので、少ないパーティメンバーでやりくりしていく面白さがありました。

確かにキャラ総数が多い方も賑やかだし選択肢が多いので楽しいのですが、少ない方がキャラが立つのでこれはこれで良さがありました。

 

 

BGMは前作と同様、キャラクター毎にテーマ曲がそれぞれ追加されました。

アンチョビやTボーンにはもちろん、オリキャラの敵幹部三人にまで専用曲が用意されています。キャラクターの味付けに一役買っていたと思います。

 

 

ここまではベタ褒めしてきましたが……快適性については残念ながら褒めるところがありません。

正直今からやろうとしたらシリーズで最も苦痛を味わうことになるレベルだと思います。

本作はシナリオクリアまでは初見で十時間程度かかるものの、それは「ボリュームがある」というよりは「テンポが悪い」せいです。

 

このゲームの戦闘が全て勝ち抜き戦であることが最たる理由となっています。

最大3on3の対戦となるのですが、ボス敵が徒党を組んでくるならまだしも、そこらを歩いてる雑魚敵までもがそれを実践してくるのだから恐ろしいです。

とにかく一戦一戦が長すぎます。加えてエンカウント率もかなり高く、雑魚戦のストレスはそれはもう半端ないこととなっています。

無論シンボルエンカウント形式なので接触しないようにすれば戦闘は回避できるのですが、雑魚敵は異様に足が速いものも混じっているので、パーティメンバーが足の遅いキャラばかりだと逃げ切れないことが多いです。RPGのように戦闘中に逃走コマンドを選ぶこともできないので、一度捕まってしまったら数分間拘束されることとなります。

 

また、ダンジョン内の仕掛けに関しても面白みを感じられるものはなく、ただただ冗長に感じました。

序盤はひたすら戦っていくだけなのでまだ良い(?)のですが、問題は終盤のダンジョンです。

左右のエリアをとにかく行ったり来たりしながらスイッチを押しながら進んだり、完全ノーヒントで三つのスイッチを順番に押させられたり。仕掛けにしてもパズル的な要素が皆無なので、ストレスになることが多かったです。

終盤になると敵も手強くなり、移動速度が速いアンチョビやリゾットでも撒けなかったり、三体編成が当たり前となってくるので、より面倒くささに拍車をかけていました。

 

本作はTRUEENDなるものが用意されており、二週することが前提のシナリオとなっているのですが、これのせいで途中でだれてしまうプレイヤーも少なくなかったと思います。レベルの引継ぎも別にないですからね。

 

 

戦闘システムに関しては可もなく不可もなくだと思います。

本作の目玉である3on3システムが上述の問題点を呼んでいることはさておき、戦闘自体はまともです。コロッケ!シリーズというくくりで見れば圧倒的にまともです。

 

ガードの仕様は本作が一番ではないでしょうか。ガードしてるとテンションゲージが減ってしまうのですが、次回作以降はガードしてもテンションゲージが減らないどころか逆に増える作品も出てきたので、戦闘がガードしてるだけで勝てるヌルゲーと化していました。

まあ、本作もCPU相手ならキャベツで必殺技を撃ってるだけで嵌め殺せるゲームではあるのですが。対人戦ならガードの読み合いができて楽しいのかもしれません。

 

キャラの性能格差としては、前作同様にパラメータが設定されているので、とてもピンキリだと思います。

パラメータで言えばシシカバブーが最強でアブラミーが最弱です。対人戦をするならばお互いに相談をした上で、同じぐらいの性能のキャラを使うようにしないと楽しめなさそうです。

まあ、自分がこのゲームをプレイしたのは小学生の頃なので、もしかしたらガチ勢の世界では永パや嵌め技のようなものがあって奥深い格ゲーと化してるのかもしれません。

 

 

 


 

 

 

このゲームを今から他の人に勧められるかと言われると、自信を持って首を縦に振ることはできません。

とにかく3on3の戦闘はテンポが劣悪過ぎるので、二周クリアする前に投げてしまう可能性が非常に高いと思います。

キャラ総数や必殺技もそこまで多くはないので、キャラゲーとしてはGreatやDSの方が完成されていると思います。

 

しかし、自分が七・八周もしたゲームということで思い出補正も強いのですが、シナリオの完成度に関してはシリーズでもトップクラスだと思います。

なんと言ってもアブラミーやアンチョビと共闘してひとつの組織に立ち向かっていくという筋書きは、コロッケ!ファンならたまらないと思います。

実は自分が人生で初めて感動で泣かされたゲームが本作だったりしますから、面白さは保障できます。