
2003年12月12日にカプコンから発売されたデータアクションRPGです。
エグゼ3のクリアからはや9か月。ようやくアドコレのVol.2に手を付けられました。
追記よりネタバレを踏まえた感想になります。
戦闘面
今作は普通にプレイしていてもチップが全然手に入らないと思っていましたが、どうやら登場する敵のウイルスの種類が過去作よりも少なく設定されていたようです。
厳密には周回すると強化後の敵が登場する仕様になっているので、一周目時点では出会えるウイルスの種類が少なくなっており、それに比例して手持ちも潤いにくくなっていました。
序盤の主力として重宝されていたウェーブ系のチップも今作ではリストラされています。1では10積みしていたぐらい好きだったから悲しい。
手に入るチップ数が少ないので自然と戦略性が薄れる……かと思いきや、新システムの『ソウルユニゾン』が中々に画期的でした。
発動条件がとても緩いので専用デッキの構築が必要なく、持続ターン数が3ターンと長いので使いやすかったです。
チップのダメージバフ量が大きく、何よりもB溜めがチップと同等の効果を持つ攻撃になるので、実質的に変身するだけで特定のチップが使い放題の状態になります。一周目はこれで火力不足を補っていけというデザインだったと思います。
自分が当選したソウルユニゾンはガッツソウル、ウィンドソウル、サンダーソウルの三つでした。どれも強かったですがサーチソウルやアクアソウルはもっと強いらしいです。
アクアマンとそのオペレーターが好きなのでブルームーンで始めれば良かったです。ぴゅ~。
よく使っていたチップは『モコラッシュ』でした。実質全画面攻撃なのでとても使いやすかったです。ガッツソウルとサンダーソウルとの相性も◎。

また、本作がチップデフレ環境と化していたのは上記のように新システムのソウルユニゾンを使わせるという意図もあったと思いますが、もうひとつの意図としてはダークチップを真の意味で誘惑とするためだったと思います。
自分は結局強制イベント以外では一度も使いませんでした。デメリットが薄いのでせっかくなので使いまくってダークasになっても良かったかもしれません。
まあ、いくら道中を楽しても結局一番勝たなきゃいけないラスボス戦で余計に苦労するだけなのですが。
ストーリー
相も変わらず物騒すぎる世の中であり、問題解決は常に小学生任せでした。
一応偶然主人公が行く先々で問題が発生していたので、偶然そこに居合わせた主人公がオフィシャルが到着する前に一人で解決してしまうというのは経緯としては自然ではあります。
それにしてもオフィシャルだってそこまで動きが遅いはずはないので、一部イベントは大人の力に任せても良くないか? とは思いましたが。というかこんな頻度で事件が起こるご時世なんだから警察がすぐ駆けつけられる程度の対策は打っていないとおかしい。
シナリオは単なる勧善懲悪の話ではなく、「善」と「悪」の定義がテーマとなった話でした。
これまでのラスボスは人の手によって創られたナビやウイルスでしたが、本作のラスボスは唐突に登場した神の意志のような存在だったのは意外でした。
エンディングが挿入される直前のシーンがDr.リーガルの独白からの自殺(?)、というのも印象的でした。
しかし、世界の王になると言っていたリーガルが実際にどのような野望を抱いていたのかは不明瞭でした。罪悪感はないとは言ってたけど「悪の世界」だの「ワールドオブダーク」だの物騒なワードを連発していたから余計に。
誰にでも悪の心があるという言葉に対しては本作の目玉システムにもなっている「ダークチップ」や「ダークソウル」が裏付けになっていたと思いますが、そもそも悪の心という単語が抽象的すぎて腑に落ちなかったです。
リーガルの例え話を借りるならば「誰かを傷付けることが悪」と定義付けられると思いますが、ダークチップが象徴するものは依存症の「堕落」のみであり、本作では使いすぎても具体的に誰かを傷付けることにはなりません。
今作の熱斗君は3のヒノケンのイベントのように犯罪の片棒を担ぐことがなく、ダークチップもゲーム内だけでは具体的な被害があまり発生しないせいで深刻なものには見えなかったので、正義の在り方をシナリオ全体のテーマとするには弱いと思ってしまいました。
各種イベントは事件と見せかけて実は試験の一環だった、もしくはただの悪戯だった、というオチになることも多かったです。
その中でもえげつなかったのはアメロッパ大会の予選の方式でした。
成人男性が小学生を気絶させる程の強度で殴って拉致するのは問題にならないのか……? 脳震盪で後遺症が発生してもおかしくないし、現場を見られて第三者に通報される可能性だってあったと思います。
大抵が笑い話としてオチがつけられていた中で、コールドマンイベントだけは最後にオフィシャルが出てきて普通に逮捕されてたのは笑いました。オフィシャルさん仕事できるんだ……。
言ってみればバーナーマンイベントやウィンドマンイベントだって普通に警察沙汰だったはずですけどね。流石に気象衛星をジャックするのは規模の大きさが違ったでしょうか。
なにはともあれ、「周回ごとに対戦相手が変わる」というランダム方式のトーナメント大会は面白いと思いました。まあ自分は一周しかしていないのですが。
トーナメント中のシナリオは対戦相手毎に専用のおつかいイベントが対戦前に発生するという、オムニバス形式で構成されています。
ガッツマンイベントやサンダーマンイベント等は主人公が振り回されるだけだったものの、本作初登場のキャラクターはどいつもこいつもグラフィックがモブとは思えない程に個性的に描かれていました。
どれもがひと悶着あったり問題を解決したりした後でトーナメントの場で決着をつける、という流れは中々に美しかったと思います。
デンサントーナメント一回戦の相手はユウコちゃんだったので、一発目からこんな重い話やんのかよ……とビビっていました。あとはリキさんやジャックボマーのイベントも面白かったです。

PKが下手だったのを
ガルシルドによって改造された。
エグゼシリーズ史上最強のラスボス

シリーズ史上最強どころか、一周目という状況下ならばもはやGBAのゲーム史上最強と言っても差し支えない強さでは……?
一周目で普通に倒せた人はこの世に何人いるのでしょうか。
アクションゲームなので極論回避さえできれば理論上はバスター縛りでも勝てる……かと思いきや、各種攻撃で地面にヒビを入れてくるので、回避不能の攻撃はいつか必ず飛んできます。
結局火力の出せるチップがなければそれらの被弾で負けてしまうので、手持ちの揃っていない一周目ではまともにやっていれば詰むこと間違いなしです。
せめてチップトレーダーを使ってガンデルソルを複数枚揃えられるか、強力なナビカスタムを入手できていればまだゲームになっていたかもしれません。自分はどれもサボっていました。
自分の手持ちのソウルユニゾンは上記の通りだったのですが、その中でもガッツソウルとウィンドソウルはB溜めが腐るので、全く役に立たなかったです。
最大HPもコールドマンイベントに金を吸われまくったせいで340までしか上げられなかったので、すぐにピンチに陥ってしまいました。
結局「改造カード113解禁(B溜めがワイドショット3になるやつ)・ロックマンDS戦のみバスターMAX解禁」というずるをしまくってようやく倒すことができました。すみませんでした。

横射程無限・縦3マスの100ダメージ攻撃最強!
これ積んどきながら七回ぐらい負けたので終わってます。
デューオ戦の難易度は正直近年のマリオやピクミン等の全年齢向けアクションゲームと比較すると、もはやバスターMAXモード(アタックUPなし)でようやくあの辺のゲームぐらいの難しさになるレベルだと思います。
敵ライフ20になるとはいえあの隙のわかりにくさにあの猛攻ですから、これでも初見で倒すのは厳しいと思います。

自分は令和になってエグゼシリーズの初見プレイを始めており、この度は4までクリアするに至りました。
どの作品もストーリークリアするまでしか攻略しませんでしたが、やはりやり込んでなんぼのシリーズであると毎回のように思います。周回前提である4は特にその傾向が強いと思います。
ちびっこが同じゲームをデータ削除を繰り返して何周もやるというのはどのご家庭でもあることだと思います。自分の少年時代もそうでした。
本作はランダムトーナメントや引き継ぎ要素によって周回を飽きにくくさせる作りになっており、そういった遊び方をサポートしていると思います。
まあ、その割には50pt集めやぬいぐるみの電脳など、周回する気を削ぐようなイベントも多かったかもしれません。
通常おつかい系のイベントの煩わしさは続編が出る度に改善されていくものだと思いますが、本作はなんなら過去一おつかいが大変だったまであります。
エリア数が少なくされたおかげで土地勘を掴みやすく、相互リンクによってワープもできるようになっていたので、探索周りは確かに快適になっていました。が、要求されるミッションがノーヒントで世界中を探索させるものやお金稼ぎをさせるものばかりだったので結局……。
エグゼシリーズはシナリオをクリアするだけなら10時間程度で終わるものの、隠しチップや隠しダンジョン等のやり込み要素が非常によく作り込まれています。
これらの収集・周回要素を遊び尽くすことで、ようやく少年時代の皆様がプレイした神ゲー・ロックマンエグゼをプレイしたと言えるのかもしれません。